神棚とは、各家庭の屋内に設けられた家庭祭祀を執り行う施設であり、
本来は神社より受けた御神札を奉斎する宮形及び祭祀に要する祭器具類を
乗せる”棚板”を指して神棚といいましたが、今日では単に宮形を指して神棚
ということもあります。
始めに、神棚を祀る場所は、立ち上がった状態での目線より高く、一般的には
神棚の正面が南もしくは東を向くようにお祀りします。
高いところにお祀りするのは、宮形に奉斎する御神札は、御神札を受けて
こられた神社の神様の御神霊そのものである為、目線より下にすることは、
自分よりも神様を下に見ている、見下すことに繋がる為です。
正面を南もしくは東に向けるのは、我々日本人の方角に対する考え方に基づく
もので、南は「天子は南面する」、つまり尊い方は北に在って南を向くという
思想から。また、東は太陽が昇ってくる方角であるという理由からです。
このような考え方に基づき、日が昇る東もしくは陽光が最も降り注ぐ南に正面を
向け、家中で最も清浄な場所を選んでお祀りします。
次に、宮形の中に奉斎する御神札は、
①神宮大麻(じんぐうたいま)・・・我が国の総氏神様である伊勢の神宮の御神札
②氏神神社札・・・ご自身のお住まいのある地域の氏神様の御神札
③崇敬神社札・・・ご自身が特に崇敬しておられる神社の御神札
に分けられ、①神宮大麻と、②氏神神社札の二体をお祀りすることが基本となり
ます(崇敬神社がない場合は③崇敬神社札をお祀りする必要はございません)。
下図のような扉が三つあるもの(三社造)の場合は、
正面に、①神宮大麻
向かって右に、②氏神神社札
向かって左に、③崇敬神社札
をお祀りします。
また扉が一つしかないもの(一社造)の場合は、下図のように上から
①神宮大麻、②氏神神社札、③崇敬神社札の順に重ねてお祀りします。
宮形の扉に関しては、開けていても閉めていてもどちらでも構いません。
そして、皆さんが普段食事をされるように、神棚に奉斎する神様にもお食事が必要です。
「米」・「酒(日本酒)」・「塩」・「水」を基本として毎日お供えをし、日頃の神様の
ご加護に対して感謝の祈りを捧げます。
これから神棚祭祀をお始めになられたい方はこちらをご覧下さい。
忌服について はこちらをご覧下さい。