は 慌てず静かに将来設計をする年

 「亥」は十二支の一番最後に当たり、「子」から始まる植物の一年が

終わりを迎えると同時に、次への新たなスタートの時を控えているとも言えます。

「亥」は、猪や豚の骨格を描いた象形文字であり、「骨組み」や「核」を表すことから、

物事の基礎(根幹)を意味します。

そして来年の「子」は「種子」であるとされます。十二支を植物の一年に当てはめて

譬えてきましたが、収穫(酉)を終え、傷んだり熟していない等の不要な実を除き

適正な実だけを残し(戌)、次の種蒔きに備える為に田畑は一時休耕し、肥料を

撒き耕し滋味を蓄え(亥)ます。つまり「亥」は種を蒔く土壌が良い状態になった

解することが出来るでしょう。

社会に置き換えて言えば、信頼を築き(未)、努力を重ね(申)、更なる飛躍の鍵を手にするも(酉)、

今一度身辺を整理し(戌)、重点的に伸ばすべきところを定め(亥)、新たな道へ歩み出す(子)。

戌年(昨年)は酉年(一昨年)において収穫したものを選別し、自分にとって不要なものは捨て、

足りない物を見つける整理の年でした。亥年(本年)は種の核となるべき自分にとって本当に

必要なもの(伸ばすべきところ)を定める年となります。つまり戌年で整理し適正な実から得た種を

蒔く訳ですが、同じ実からは同じ結果しか得ることは出来ず、良くても現状維持であり、更なる発展は

望めません。どうしたら前回よりも大きな幹に育ち沢山の実をつけるのか、どうしたら更に美味しい実に

することが出来るのか、といった改良改善が求められます。良い種にする為には種の核となる部分に

十分な栄養を付ける為の知識やノウハウを身に着けることが必要となるのです。

また、「亥」には猪(いのしし)が当てられます。猪から連想される言葉はやはり「猪突猛進」、

改めて言うまでもございませんが、猪突猛進とは周囲の人や状況を考えずに目標に対して向こう見ずに

突き進むことを意味し、要するに無計画ということです。

何事もきちんと筋道を立てて計画をしなければ上手くゆきません。無駄に時間と労力だけを

費やすだけで損をするだけです。

夢や希望の種、つまり次のステップ(子年)の核となるべきものをきちんと定める為、

亥年は慌てることなく静かに自分自身を見つめて将来設計をし、その為に足りない知識を獲得する年

言えるでしょう。

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